电影介绍
第19回ATP賞2002優秀賞受賞作品。戦時中、家族同然に育ったノブロウ(甲本雅裕)とノブコ(中山美穂)は、空襲のさなか結ばれ結婚。やがて出征したノブロウは、敗戦から5年を経てようやく復員するが、戦争で足を痛めなかなか仕事に就けずにいた。ある日、ノブロウはふとしたことから夫婦漫才を思いつく。2人の漫才はアパートの住民に評判で、うわさを知った大手プロダクションのスカウトがノブロウらを訪ねてくる。「昨年暮の三十日に、新宿の某ホテルにいた。ホテルで困るのは、ラジオの電波がよく入らないことである。いちおう、小型ラジオは持っているのだが、微弱な電波はききとれない。テレビからもラジオ放送はきけるのだが、いかなる理由か、NHK、TBS、FM局が一つ二つ入るだけである。ぼくとしては例外に属することだが、テレビドラマを観ることにした。豊川悦司・原作・脚本・演出の「夫婦漫才」というスペシャル番組で、中山美穂がヒロインだった。初めに、道頓堀にかかる橋に老夫婦が向うむきにすわっているショットがある。これが老漫才師の現在の姿であろうことは想像がつく。以下、太平洋戦争中の二人のなれそめの回想が始まるのだが、空襲のシーンなどは、考証がむちゃくちゃである。民家の窓に黒カーテンも遮蔽幕もなく、やれやれと思ったが、それを救ったのは花紀京のナレーションであった。花紀京独特の抑えた大阪弁のナレーションは淡々としたものだが、これが泣かせる。花紀京--と耳にしただけで、芸能好きの血をざわつかせるものがあったのは、一九七〇年代初めだ。「これからは花紀京だ」と、東京の芸能好きは喜んでいた。その花紀京が、いま、CMに一瞬うつるだけで、ぼくは嬉しいのである。ナレーションが花紀京というのはベスト・チョイスで、豊川悦司が大阪生れであることがよくわかる。中山美穂、甲本雅裕の夫婦が生活のために漫才師になり、五十年の時が流れる。ドラマは<大阪人の戦後史>であり、中山美穂が(大阪弁も含めて)善戦していた。もう一度、最初のショットに戻って、老漫才師の顔がアップになると、これが夢路いとし。ここで、もう、ぼくは涙をおさえられなかった。【この項、文・小林信彦氏(小林信彦著「にっちもさっちも」(文春文庫刊)より引用)】」地上波では、2001/12/30(日)、23:00~24:24「ドラマスペシャル」にて放送された。撮影協力・STUDIO ALTA、FOREST、東京ロケーションボックス、東京都中央卸売市場築地市場、横浜新生☆野毛劇場、なんばオリエンタルホテル、天王寺ミオ、もんじゃ天一、ロベリヤ。映像協力・NHK、MBS。スチール・むらやまあつひと。